お待たせいたしました。
moderato企画、「気になるヒト。」の第二弾は、劇団・少年社中の主宰であり作・演出家でもある毛利亘宏さんデス。


 2005年の12月25日のコト。
earlgreyの絵本展"Jasmin's dreams"をしていた三軒茶屋のcompaound cafeに、お客様としておいで下さった毛利さん(写真・左)。そんな毛利さんをつかまえて、これチャンスとばかりに早速おしゃべり(インタビュー!)開始デッス。




ーまずはごあいさつー
丘崎:
毛利さんと、役者と演出家としてお付き合いできたのは、今回の『The Little Prince』が初めてでしたね。本当に楽しかったデス。なんか、とっても自由で。日頃できないことを存分にやらせてもらいました。ありがとうございました!
 ところで、「気になるヒト。」第一回のゲスト、タンタンだったんですよ。
毛利:あ、読みましたよ。
丘崎:ありがとうございます。
 それにしても、『The Little Prince』は楽しかったデスねえ〜。ワタシと毛利さん、最近顔を付き合わせればコレばかり言っている気もしますが(笑)。
毛利:いや、楽しかったですね。幸せな公演は良い物です。みんなで幸せになりたい(笑顔)。
丘崎:ほんとうに!!

*『The Little Prince』=タン2企画の朗読劇。原作はサンテクジュペリの『星の王子様』。2005年12月21日〜23日に六本木ルーテル教会にて上演。演出:毛利亘宏。丘崎も役者兼ダンサーとして出演。王子役を、タン2を主宰のタンタンが演じた。



ー少年社中とは?ー
丘崎:ではでは、少年社中を良く知らない読者のためにですね、少年社中の作品の特徴の説明をおねがいします!
毛利:作品のテーマに共通するのは『虚構と現実』です。だからね、実はウチの作品は夢オチ率が高いんですよ(笑)。
丘崎:え〜、そうなんですか?
毛利:まだ、早稲田でやっていた頃なんて、話のクライマックスに演出であえて照明を蛍光灯に切り替えたりしたましたから。
丘崎:ふむふむ。
毛利:リトルプリンスのパンフに載せてもらったインタビューにも芝居や朗読における「現実」と「嘘」について話していたんですが。僕にとって、「リアル」とは何かってコトなんです。
 僕らはふだん生きているなかでは、ホントとウソの境目がけっこう曖昧だと思うんですね。
 だけど、舞台という空間そのものは、完全にウソじゃないですか。
 そして僕は、舞台というウソ世界の中で起こるほんの少しのホントが、ものすごくリアルに感じるんじゃないかと思うんですね。
 だけど、やっぱり劇場とはウソの空間で。そういった意味では、現代社会そのものが「劇場」といったものに近いのではないかと思っています。

ー演劇を始めるきっかけー
丘崎:なるほど。早稲田の頃の話もちょっとでましたが、毛利さん、演劇はどういうきっかけで始めたんですか?
毛利:実は、高校の演劇部にいたんです。
丘崎:ええ〜〜、高校演劇!?
毛利:(笑)。毎年毎年学年が変わるごとに、その演劇部のボスが変わるんですが、2代目のボスが突然、東京で旗揚げしない?って言い出したんです。
丘崎:うわ、予想だにしなかった突然な展開。毛利さん、名古屋出身でしたよね。それでそれで?
毛利:結局、10人から15人くらいで集団上京してきたんです。
丘崎:すっご〜い!!

ー早稲田の劇研ー
毛利:で、当時、早稲田の劇研って言うのは、もぐりこむとなかなか良いところらしいぞ、っていう情報をキャッチしまして。
丘崎:なかなか良い?
毛利:早稲田の学生でなくても入れるし、芝居をする場所も稽古をする場所も人もいる(笑)。いろいろなもの使い放題で芝居ができるぞ!って。だけど、言いだしっぺのボスが劇研に入った初日の1時間で逃げ出しました(笑)。
丘崎:ひっど〜い(笑)!!でも、『The Little Prince』の稽古期間中、毛利さんや、廿浦君(少年社中の役者サン。写真・左)に、よく劇研時代の話聞きましたもんね。とにかくハンパ無くキツイって(笑)。確か、はじめの1年間は奴隷(!!)みたいな。すご〜く忍耐のある人、適応力のある人、根性のある人しか生き残ってないんだ、劇研てというイメージがしっかりと付きましたもん。
 あ、でも、廿浦君は適正ありそうだなあ。頑張れそう!
毛利:『The Little Prince』は、彼にとても良い刺激を与えたと思います。今回、歌や踊りなどを専門分野として武器に持つ、芝居以外のジャンルの人と一緒に舞台に立って、自分の持っている力で勝負しなければいけないというところに立たされた。でもそういうところで逃げなくなった。芝居も観ていて、「なんだ、できるじゃん!」って。随分できるようになったなあ〜!と。
丘崎:親心ですね。眼が優しい〜!廿浦君が劇研にいたってコトは、大竹さん(少年社中の役者サン。写真・右)もその劇研の洗礼を浴びているわけですよね。今回、本当に大竹さんのスーパーぼけぼけぶりが、ツボでツボで。
毛利:(笑)。大竹が劇研に入った年にちょうど、少年社中を旗揚げしたんですよ。で、その頃は堺雅人さん効果で、劇研の中でも東京オレンジが大人気で。
丘崎:確かに、ブレイクしてましたよね〜!
毛利:そう、だから東京オレンジに入ったら下っ端だけど、ウチに入ったら女優がまだ全然いないからメインだぞって言って、騙して入れました(笑)。
丘崎:メッチャ笑顔だ・・・。実際メインだから騙しじゃないですよ(笑)。ワタシ、初めて少年社中を見たのは、『シナファイ』です。BQMAPによく客演してくれるKAKUTAの成清君が客演していたので、観に来たんですけど、大竹さんの印象は何だか強くて、印象としてよく覚えていマス。

ー女はすべからく魔女!?ー
毛利:大竹は、あれは当たり役でしたね。前回の社中の『リドル』もそうでしたが、日頃は、話の中の重いところ担当というか、重いパートをしょう役まわりが多くて。
 少年社中では、だいたい女の子が敵なんです。
丘崎:へえ〜〜!面白い!!
毛利:(笑)。ひたすら女性が苦手で、すべからく女は魔女である、みたいな(笑)。
 でも、『The Little Prince』は今まで自分が書いてきた作品とは、構造が逆転しているんですよ。
丘崎:そうなんですか?
毛利:そう。『The Little Prince』は自分勝手すぎない男と、自分勝手な女の視点なんです。
丘崎:ほお〜。自分勝手すぎないって面白いですね(笑)。
毛利:『The Little Prince』は、僕にとっても、ものすごく挑戦でしたよ。
 そもそも少年社中の作品は、協調性の無い人たちの話しだし、いろいろなことをテンション盛り上げて回避していますから。『The Little Prince』は真逆なんです。

ー「毛利語」−
丘崎:なるほど。
 話は変わりますが、今回、毛利さんと一緒にやっていて、とても面白かったことのひとつに、「毛利語」があります。「ぐっとくる」「素敵」「勝ちは見えてる」。これ、メッチャ良く使いますよね?ワタシ、大好きでした。
毛利:(笑)。最近、外で演出する機会が増えてきて、コトバの印象に気をつけるようになったんです。「いいね、それ。」っていうと少し偉そうですが、「それ、素敵です。」って言うといいですよね。
丘崎:確かにイイっ!!
毛利:特に「素敵」が一番のお気に入りです。
丘崎:確かにワタシもソレ、大好きです。どんどん使わせてもらおう!
毛利:キャリアや年齢に関係なく、たいていの役者さんとデスマス調で話しをするんですが、実は僕、実家で未だに親とデスマス調なんですよ。
丘崎:親御さんともって、スゴイですね〜!
毛利:演出家なんてたいしたことないていうか・・・、何も責任なんて取れないんですよ。幕が開いてしまえば、舞台は役者のものだし。ホント、演出家なんてなんでもないんです。だから、偉そうになんかできない。
丘崎:素晴らしい!!でも、タン2の前回の『I'll』の時から思っていましたけど、毛利さん、劇団員からよくいじめられてますよね(笑)。ちょっと弱い感じじゃないですか?(笑)
毛利:ホントですよ!!ウチは劇団員が強いんです。少しはオレの苦労も考えろ〜(叫び)!!(笑)。
丘崎:(爆笑)。

ー劇研時代はアグレッシブ!?ー
毛利:それでも、劇研の4年生くらいの頃は怒鳴ってたりしたんですよ。
丘崎:ほえ〜、意外!!
毛利:旗揚げの頃なんて、殴り合いしたコトありましたからね。
丘崎:え、毛利さんが!?
毛利:ええ。なんか上手くかみ合わなくなって・・・。原因は遅刻なんですけどね。ただ笑えるのが、殴って小指を骨折した・・・。ボクサー骨折です(笑)。
丘崎:ああ〜、確かにしそう・・・。ケンカ慣れしてないと骨折しますよね〜(笑)。
毛利:その時、劇団員で止めてくれたのはたったの一人だけでしたよ・・・。
丘崎:セツナイ・・・。
毛利:あとは、よく物を投げていましたね。
丘崎:ええ〜!これまた意外。
毛利:出トチリや、セリフがちゃんとできなかったり、あと役者をフリーにしすぎたら客席に飛び込んだりしたヤツがいて、つい(笑)。
丘崎:今じゃあ、全く予想できないですね。怖いくらい物腰が柔らかいもん、毛利さん。稽古中も、外部の仕事の話で言ってましたもんね。物腰が柔らかくて、いろいろな人に合わせられるって。すごい社会性だなあ。

ー一人っ子コンプレックスー
毛利:実は僕、一人っ子コンプレックスなんですよ。
丘崎:え、ていうか、毛利さん一人っ子なんですかあ〜〜!!い、意外すぎる・・・。全然見えない。なんだろう、一人っ子って極端ですよね。いかにも一人っ子って言う子か、一人っ子なのに社会性ありすぎじゃない?どうしてそんなにいつもちゃんと回りを見ているの?みたいな子に二分される。不思議・・・。
毛利:(笑)。一人っ子だから、アイツ社会性ないなあ〜、って思われるのが嫌な臆病者の一人っ子が、社会性があるんです(笑)。だから、一人っ子コンプレックス。一人っ子って、結局兄弟ナシで育っているから、自分の尺度が分からなくて、振り幅が極端になるんだと思うんですよ。
丘崎:それで極度に社会性があるワケだ・・・。

ー実家は美容室ー
毛利:ちなみに僕、実家が美容室なんです。
丘崎:え・・・!?あ、あ、あの毛利さん、稽古場で、起きたままなのか、髪の毛ハネっぱなしの日、ありましたよね・・・。わ、話題になってましたよ。
毛利:ええ〜!教えてくださいよ〜〜。
丘崎:いやいや教えましたよ、みんなで(笑)。
毛利:ああ、そうか・・・(笑)。
丘崎:じゃあ、子供の頃はいつも家の美容室でヘアカットしてもらっていたんですか?
毛利:はい。だから、東京に出てきて、床屋にカルチャーショックでした。
丘崎:あの、実際床屋の中に入ったりしないから、良く分からないんですけど、やっぱり床屋と美容室って違うんですか?
毛利:(キッパリ)ハイ、違います。美容室は美容師で、床屋は理容師です。免許自体が違うんです。理容師は、カミソリなんかの刃物を使っても良いけど、美容師はダメです。
丘崎:へええ〜。学びました。
                                                      

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