<<中編・1>>
 タンタン:でもね、役者活動を休業してみて、自分なりに見えてきた事もある。
 丘崎:  なになに?
 タンタン:それまでね、どちらかというと役者活動のほうを重視していて、役者活動をする上で切り絵が保険になっている部分があったみたい。
 丘崎:  保険?
 タンタン:うん。ただの役者じゃなくて、切り絵もできる役者。つまり、切り絵がオプション、みたいな。
 丘崎:  確かに。踊りができる役者、アクションできる役者、楽器ができる役者は沢山いるけど、切り絵ができる役者ってめったにいないもんね。
 タンタン:(笑)。今はね、休業しているけど、次に役者活動再開する時には、「切り絵があるからいいや」的な役者じゃなくて、役者そのものとしてちゃんと認められるようになりたいなあって思う。そうやって関わる事が出来るように、今はあせらず、個人の世界観を深めて行ける切り絵のほうに集中したい。それで、ああ、ちょっと変わってきたな自分って思える頃にちょっと何かに出演したり、でもまだだったって思ったら休んでみたりって、自分のペースで関わって行きたいな。

ータンタンと切り絵ー
 丘崎:  そうか〜。じゃあ、女優活動を休業して、今は切り絵に専念してるってコトだと思うんだけど、何か自分の中で変わったところとかある?
 タンタン:ココまで言っておいて何だけど、実は、切り絵でも役者活動と同じように壁にぶち当たっている・・・(笑)。
 丘崎:  おっと、タイヘンだ!ワタシが出演させてもらった『I`ll』(2005.1)の頃は、確かまだバリバリに作品作っていたよね?かなり素敵だったもん。
 タンタン:そう。実はその『I`ll』以降、そんなにちゃんと作品つくりをしていないんだ。
                                        
 丘崎:  壁が原因で?
 タンタン:うん。それで今は、自分の世界観をきちんと自分で認識した上で作品創りをして行きたいって思うようになった。
 丘崎:  てことは、それまでは、フィーリングだったんだ・・・(笑)。タンタンらしい。ワタシ、タンタンの作品には、動物がいるってイメージがある。『I`ll』の作品では、作品の内容もあって女神様とかも出て来てたけど。
 タンタン:そうそう、そういう動物とか神様的なものが自分の作品にはあるんだけど、そういうものがどこから出てきて、何でそういう風になったんだろうって事を自分できちんと認識した上で作品を創って行こうって。
 丘崎:  ほうほう、で、どこから出てきたのか分かった?
 タンタン:うん、たぶん祖父が考古学をやっていた影響があると思う。
 丘崎:  おっと、いきなりハイソ。祖父が考古学って素敵ね〜!
 タンタン:(笑)ありがとう。そういう考古学上の何千年も前のコレクションとかみると、何か良く分からない変な動物が出てくる。
 丘崎:  ああ、頭が鳥で体がライオンみたいな、よく何種類かの動物が混じっていたりするやつね。
 タンタン:そうそう。
 丘崎:  た、タンタンの動物のルーツは、考古学上の動物だったんだ・・・。なんか、メチャクチャ意外だ!?スンゴイところから出てきてたんだね・・・(笑)。前に、『I`ll』の稽古で、ドビュッシーの曲に合わせてイメージできる動きをしてみるっていうことやってみたじゃない?あの時、確か設定は雨の中で。みんな、当たり前のように人間としてやっていたんだけど、タンタンだけ蛙だったんだよね。で、その時にタンタンは、切り絵でもそうだけど、自分の表現の世界観にはこういう動物がどうしても出てきてしまう、って言っていたのがとても印象的でサ。しかも、そういうときのタンタンって、メチャクチャ、キラキラしているし、体がいつもの×2で動いているんだよね。なんだ、タンタン動けるじゃん!!みたいな(笑)。でも、そのルーツが、まさか考古学だったとは・・・(笑)。
 タンタン:あ、でもね、動物以外にも大きく影響受けているのはあるよ。
 丘崎:  何?
 タンタン:聖母マリア。
 丘崎:  ああ、確かにそういう雰囲気のもの、タンタンの切り絵でよく見かけるワ。それは何の影響なの?
タンタン:学校。
丘崎:  学校?
タンタン:うん。私、小学校からキリスト教系の学校に通っていたから、その影響。クリスチャンではないんだけど、芸術的な部分で大いに影響を受けているのかも。今でも、何故か教会には縁があって、毎週通っている。
丘崎:  ああ、あのルーテル教会ね!?
タンタン:うん。今は、メサイアの練習とかに行ってみたりして。
丘崎:  いいよね、歌!にしても、ルーテル教会は、本当に素敵だった。『I`ll』の稽古場として快く場所を提供してくださったよね、牧師様。
タンタン:本当に有難い限りで。
 丘崎:  ルーテルの牧師様は、フワッとヒトを包み込むような優しいオーラを持っているけど、ユーモアちゃんと持ち合わせていたりして、素敵な方だった。
 タンタン:お借りしている側なのに、コーヒーとかまで出してくださったりする。
 丘崎:そうそう!しかも、あの立地には驚いた。ほぼ、六本木ヒルズの敷地内といっても過言ではない程にまで、ヒルズに隣接した立地。ヒルズの夜景を見ながら稽古って・・・、なんてゼイタク!!って、ついつい脱線しちゃった。話を戻そう。で、教会の影響も切り絵に反映されていると。
 タンタン:あ、そうそう。
 丘崎:  『I`ll』にも、神様出てきたね、そういえば。私、月の女神様のパフォーマンスさせてもらったものね。あの時の、タンタンの切り絵も綺麗だったなあ!月の女神と太陽の神の切り絵!
 タンタン:有難う。『I`ll』の時にもそうやって神様的なものをモチーフに作品創ったりした。で、元の話に戻るけど、自分の世界観をきちんと認識するためにも、そういう神様的なものをきちんと勉強していこうかなと。これまでは、ただ何となく影響受けているっていうだけだった気がするから。
 丘崎:  勉強?                    
 タンタン:世界観や美術の勉強を体系的に。ギリシャ・ローマ神話や、エジプトの神話。それに、キリスト教学校の影響もあって、聖書の勉強も。
 丘崎:  ああ、確かに!タンタンの作品の世界観と神話ってピッタリのイメージ!ちゃんと、考古学にも繋がるしね。そういう知識的な裏付けが、これからのタンタンの作品にどう反映されていくのか楽しみだね!
 タンタン:あ、そう言われると、ちょっとプレッシャー(笑)。その他にはね、最近、本を読むようになった。実は、全然本を読まない人間だったの。
 丘崎:  え、そうなんだ?あ、だから時折りていうか、よく、日本語がおかしいんだ?(笑)。主語と述語がバラバラだったりするもん。
 タンタン:え、そ、そう?
 丘崎:  そうそう、時折り、というかいつもか、(笑)、タンタンはタンタン語を話している。
 タンタン:う、うん。でもやっぱり、自分の中できちんと消化して言葉で伝えるのが苦手なんだと思う。
 丘崎:  確かに(笑)。何か伝えたいのであろう事は良く分かるんだけど、支離滅裂の時あるモンね、タンタン。あ、やっぱり中村玉緒サンだ!
 タンタン:本読んで、頑張りマス・・・。

            

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